記事の目次
2. 気になる待遇面について
3. 給与相場について
3.1 職種別
3.2 年代別
3.3 語学レベル
4. 賞与(ボーナス)・諸手当・福利厚生
4.1 賞与(ボーナス)
4.2 諸手当
4.3 福利厚生
4.4 所得税
4.5 雇用形態
5. 日本人求人の傾向
5.1 業界
5.2 職種
5.3 勤務地
6. 求められる人物像
7. インドネシアの現地採用のメリットとは? 現地採用=自分で自由にキャリアを描ける
インドネシアの現地採用と駐在の違いとは?
海外で働く場合、インドネシアの現地法人で採用される「現地採用」という場合と、日本本社で雇用されてインドネシアに派遣される「駐在員」として海外法人に出向する場合の、大きく2つのパターンに分けられます。
| インドネシアの現地採用 | 日本採用(駐在) |
雇用元 | 現地の日系・外資系現地法人や現地ローカル企業 | 日本法人 |
給与 | 現地相場(現地通貨) | 日本での給与+現地給与 |
日本の保険、年金 | 自己負担(任意加入) | 会社負担 |
福利厚生 | 公的医療保険(BPJS:義務加入) | 住宅手当、社用車支給、海外旅行保険加入、帯同家族分の手当など |
勤務地 | 異動は原則無し (自分の意志で決められる) | 会社の辞令による |
任期 | 無し(契約期間は1年となり契約を更新していく。企業、従業員の合意のもと更新される) | 一般的に3~5年 |
裁量権 | ポジションによる | マネジメントクラス以上 |
気になる待遇面について
どちらにも一長一短がありますが、やはり気になるのは給与などの待遇面だと思います。
日本採用(駐在)の場合は、会社からの辞令によって派遣されているため、その分手当やサポートも手厚いです。マネジメントポジション以上に就く方が多いので、会社の顔として十分生活できるような待遇が与えられます。
インドネシアの現地採用の場合は、現地相場に合わせた給与のため、家賃や通勤は自分でやりくりする必要があります。(社用車の送迎がつくことはありますが、専用車支給は稀です。場合によっては家賃の一部負担がある企業もあります)
現地相場の給与は最も低い場合でも月15,000,000ルピア(約12万円程度)、物価や家賃が安いため、実質的な生活レベルは日本同等かそれ以上になる可能性もあります。
給与相場について
インドネシアで現地採用として就労する際の給与相場については、職種・年代・語学レベルに応じて大きく分けて下記の通りとなります。 あくまで平均的な月収の目安となりますので、ご了承ください。(すべて手取り)
職種別
営業職 スタッフレベル:15,000,000~30,000,000ルピア
営業職 マネジメントレベル:25,000,000~50,000,000 ルピア
技術職:35,000,000~100,000,000ルピア
事務職 スタッフレベル:15,000,000~25,000,000ルピア
(総務、経理、営業サポートなど)
事務職 マネジメントレベル:25,000,000~50,000,000ルピア
IT(ヘルプデスク、SEなど):20,000,000~45,000,000ルピア
年代別
新卒や未経験の場合を除き、年齢のみで給与が決まることはありませんが、あくまで目安としては下記となります。
もちろん経験年数やスキルによって、給与は前後します。
20代:15,000,000~30,000,000ルピア
30代:25,000,000 ~40,000,000ルピア
40 代以上:30,000,000ルピア以上
語学レベル
業務内容によりますが、語学レベルに応じて、相場給与より上乗せされる場合があります。
英語ビジネスレベル以上:+1,000,000~3,000,000ルピア
インドネシア語日常会話レベル~ビジネスレベル:+1,000,000~3,000,000ルピア
例えば、実際に出たオファー給与のモデルケースをご紹介します。
日本またはインドネシアでの業務経験や語学力、マネジメント経験の有無などによってオファー給与は異なります。
Aさん:20代後半、日本で営業経験2年、英語日常会話レベル、インドネシア語日常レベル → SE 20,000,000ルピア
Bさん:30代前半、営業経験5年、英語ビジネスレベル・インドネシア語日常会話レベル → 営業マネージャー職 35,000,000ルピア
Cさん:40代前半、日本、インド、インドネシアで営業・マネジメント経験15年超、英語日常会話レベル、インドネシア語ビジネスレベル → 管理部門シニアマネージャー職 60,000,000ルピア
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賞与(ボーナス)・諸手当・福利厚生
インドネシアの賞与、諸手当、福利厚生は会社ごとに、さまざまです。
日本人の現地採用者については、日本本社側の条件を適応する会社もあれば、インドネシアの現地法人の条件を適応するところもあります。また現地法人の条件を適応する場合でも、日本人だけローカルとは別の条件を設けているところもあります。
賞与(ボーナス)
宗教ボーナスは、年1回、1カ月分給与が支給されます。インドネシアの労働法により現地採用の場合も必ず支払われる事になります。ご自身の宗教は関係ありません。
賞与(ボーナス)は、年1~4回の支給となります。支給月は各企業によってことなります。賞与に関しては設定していない企業もあります。
支給額については、業績連動のところもあれば、1ケ月~6ケ月分と企業の業績や個人のパフォーマンスによってかなりの幅があります。
また、賞与(ボーナス)は前年度の業績貢献によって支給されるものですので、初年度は通常支給無し、または在籍日数に応じた支給額の計算となります。
諸手当
諸手当については、主に役職手当、通勤手当、住宅手当、残業手当、インセンティブ、皆勤手当て、食事手当があります。
日本人の現地採用者に対しては、現地のインドネシア人社員との給与バランス調整を主な目的として、基本給と諸手当については面接時の相談で決めるケースも多い状況です。
通勤手当:ジャカルタ市内勤務の場合は、3割程度の企業が通勤費用の実費支給または2,000,000ルピア程度の手当をつけています。
ジャカルタ郊外や地方勤務になる場合は、通勤用の社用車の貸与またはドライバー付送迎車をつけたり、他の社員との乗合通勤となったりすることもあります。
住宅手当:約3割程度の企業が家賃全額・一部の手当てとして5,000,000~10,000,000 ルピア程度支給しています。
地方勤務の場合、5,000,000~10,000,000 ルピアまでの住宅手当や社宅として借りているコンドミニアムの一部屋を会社負担で支給しているケースもあります。
残業手当:支給無しとなるケースが多いです。日本人の場合、給与額がインドネシア人マネージャークラスと同等以上であるため、一般的にはマネージャークラス以上の役職での採用となります。
食事手当:オフィス勤務の場合は原則として支給はありません。
製造業の工場勤務の場合、食事手当として1日あたり20,000~40,000ルピア程の補助がある場合があります。製造業の工場内には、社員食堂がある企業も多く、インドネシア料理の一皿料理が20,000~30,000ルピア程で食べられるようにしているところもあります。工場で勤務する日本人社員に対しては、日本食のお弁当を出前注文しているところもあります。
福利厚生
福利厚生は、非金銭報酬で主に有給休暇、医療保険、一時帰国費用補助、社員旅行、社内パーティーやスポーツイベント等があります。
有給休暇:インドネシアの労働法で、年間12日の支給が義務付けられています。多くの企業で12~20日で設定しています。初年度は有給がなく、勤続1年以降に支給するケースもあります。またインドネシアでは傷病休暇は有給休暇とは別扱いとなり、医師の診断書がある場合は有給を消化する事なく欠勤する事になります。
保険:インドネシアで就労する場合は、社会保障(BPJS)に強制加入となります。居住地の保健所を受診し必要によりBPJS適応病院を紹介されることになります。基本的に診察費~薬代無料で医療が受けられる制度となりますが、なかにはインドネシア語しか通じなかったり混雑して待ち時間が長かったりなど、外国人にはハードルの高い制度です。
そのため、民間医療保険(グループ保険含む)や海外旅行保険に別途加入している企業が多い状況です。
日本人求人の依頼のある日系・外資系企業の約8割は、インドネシアの民間保険を導入、または医療費の実費全額・一部を返金する制度を設定します。インドネシア系ローカル企業でも、一定の役職者以上に民間保険対応を行っています。
社員旅行・社内パーティ・スポーツイベント:プライベートでの人と人との繋がりや人間関係、家族関係を重視するインドネシアならではの福利厚生です。社内イベントの有無が離職率にも影響を与えるほどです。
所得税
インドネシアの所得税は1~12月の暦年で計算されます。日本と同じく累進課税で年間の所得に対し5~35%の税率が適応されます。
納税者は税務当局から送付される納税申告書に会社が発行する給与証明書を添えて申告をしますが、申告手続きは一般的には企業の人事や経理が行ってくれます。
インドネシアでは給与から控除されるものは、基本的には所得税と社会保険料のみです
雇用形態
インドネシアの現地採用者の雇用形態は、契約社員になります。
契約社員雇用の場合は、1年での契約更新としているところが多く、パフォーマンスに問題なければ、そのまま契約更新となります。
契約社員雇用の理由は、インドネシアにて外国人が就労する場合、就労ビザの期間が1年となっていることによります。正社員の定年が55歳(55歳以上であれば企業の規定に準じる)となっている一方、契約社員に定年はありません。企業、契約社員双方の合意があれば55歳以上でも勤務を継続する事が可能です。
契約社員の待遇については企業により異なりますが、契約社員でも正社員同様に賞与(ボーナス)、昇給、福利厚生制度が受けられることもあります。
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日本人求人の傾向
インドネシアは、インドネシア人の雇用を守ることに重きを置いているため、「日本人(外国人)でなくてはならない仕事」であるかということがポイントになります。
日本人現地採用の求人は、主に日系顧客対応を行う営業やインドネシア国内で人材が不足しているエンジニア(IT含む)、インドネシア在住の日本人をサポートするカスタマーサポートといったポジションが多い傾向です。
業界
インドネシアの産業が自動車産業に牽引されていることから、日本人の需要は製造業に偏っています
自動車製造に関わる自動車関連部品メーカー、 金型メーカー、機械メーカー等からの求人数が多く、ここ最近ではFA機器関連企業からの求人も増えています。
非製造業では、IT・物流・商社からの求人数が目立っています。また、金融・コンサルティングファームが専門性のある人材を募集することもあります。
職種
約60%を営業職が占めています。
営業と一言でいっても、未経験でも応募可能なジュニアポジションや日系顧客からの問合せ窓口としての内勤営業、同業界での経験を活かした即戦力としての営業ポジションなど幅広くあります。
営業(インドネシア国内日系企業向け既存営業・新規開拓、海外営業)
工場管理(工場全般の管理、運営)
技術(品質管理、生産技術、設計、金型・加工、生産管理)
IT(ヘルプデスク、SE、デザイナー)
事務職(秘書、営業事務など)
カスタマーサービス
会計士、コンサルタント、弁護士
勤務地
ジャカルタ
ジャカルタ近郊(タンゲラン、ブカシ、チカラン、カラワン)
西部ジャワ(プルワカルタ、バンドン:ジャカルタから車で 3~4時間程度)
中部ジャワ(スマラン、ジョグジャカルタ)
東部ジャワ(スラバヤ)
※ジャワ地域(メダン、カリマンタンなど)は日系企業の進出が少ないため、求人案件はあまりありません。
求められる人物像
前述のとおり、企業がインドネシア人ではなく日本人(外国人)を採用するにはそれなりの理由が必要です。
「業務経験」「技術力や資格」「語学力」「人柄」など様々な要素がありますが、何か一つでも自信を持ってインドネシアやその企業に貢献できると言えるものがあれば、十分アピールポイントになると思います。
インドネシアで働く現地採用に求められる人物像としてまとめると下記となります。
1. 短大・四大卒以上歓迎 ※一部企業では、ビザ取得要件に大卒が求められることがあります。
2. 職務経験最低5年以上 ※5年未満の経験年数でもビザ申請は可能ですが、業種、企業規模によっては発行されない場合もあります。
3. 語学力
英語: TOEIC600~700点(目安)以上が理想となりますが職種などにもよります。
求人票に「日常会話以上」という表記がある場合は、インドネシアイ人スタッフとの意思疎通、書類作成、メールのやり取りができれば可というレベルです。 ただし、TOEICなどの点数よりも現場でのコミュニケーションを重視することが多いので、企業との面接内でスピーキングチェックを行い「話す」「聞く」スキルを判断されることもあります。
インドネシア語 : 日常会話以上できれば、アドバンテージとなります。
多くの場合は、インドネシア語の読み書きの必要は無く、簡単な業務指示や意思疎通が図れれば問題ありません。
4. インドネシア在住経験のある方 ※留学経験やインドネシア駐在・就業経験があれば尚良いです。
5. フットワークの軽い方 ※面接はオンライン・現地にて実施されるケースが多いです。
インドネシアの現地採用のメリットとは?現地採用=自分で自由にキャリアを描ける
インドネシアで現地採用として働くメリットはなんでしょうか。自身のキャリアを考えたときに、下記のような点があるかもしれません。
自分の好きな国で好きな期間、働くことができる(納得いくまで海外で挑戦できる)
日本ではなかなか入社できない大手企業や外資系企業で働けるチャンスがある
若手の場合は、未経験業界・業種への挑戦できるポジションが多い
実績やスキルによって日本採用に登用してもらえるチャンスがある
日本へUターン就職する場合でも、海外就労経験や英語力がアピールポイントとなり、キャリアアップにつながる可能性がある
インドネシアで現地採用として働く多くの日本人にお会いするなかで、皆さまそれぞれのメリットを感じられています。今は気づかなくても、日本にUターン就職した後に、現地採用としての就業経験をプラスにとらえられる方もいらっしゃいます。
インドネシアの現地採用は、自分次第で可能性は無限大に広がります。もし少しでもインドネシアで働くことに興味を持った方は、お気軽にご相談ください。
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